【紫色のヘリオトロープ】は私が昔所属していた怪盗組織【エターナルアザー】が怪盗予告に必ず使う贈り物の花だったのだ!
(うーん、これは非常にまずいことになったなあ……)
回廊にて、立ち尽くした私は思わず海より深いため息をついてしまう。
(こうしてはいられない!)
「あの【紫色のヘリオトロープ】、間違いないわ!」
「ふむ、確かヘリオトロープの花言葉は渾身的な愛じゃったかの?」
私達は時間が惜しいため最低限の会話をしながら、回廊を駆け足で進み、目的である騎士団長の部屋まで向かっていく。
「そう、贈り物としては別におかしくはないんだけど」
「成程、裏言葉か……。えっと確か、夢中とか熱望の意味じゃったかな……」
そう、小次狼さんの言う通り花言葉には裏言葉もあるのだ。
「……今気が付いたんじゃが、あの花の色嬢ちゃんの髪の色にそっくりじゃがたまたまかの?」
「えっ! うん、そうじゃないかな?」
小次狼さんの鋭い指摘に少し狼狽える私。
そのせいか、私の走っているスピードが少し上がったのが自身でも分る。
「……儂は怪盗組織【エターナルアザー】の内部は詳しくはないが、遥か大昔は怪盗予告は出してなかったと聞くが……はて?」
その私に追いつくように、私の顔を覗き込みながら駆け足のスピードを上げる小次狼さん。
「……す、すいません。あの怪盗予告、私が幹部になって作ったルールなんです……」
「そうか、逆算すると丁度100年前くらいからじゃったし、そんな感じがしたんじゃよな」
目を泳がせながら、しどろもどろに話す私に対し、小次狼さんは腹を抱え豪快に大爆笑していた。
(この感じ、やはりバレてましたか……)
そう、組織の幹部試験を無事? 通過した私はほどなくして、「花を怪盗予告に使いたい!」の意見を【エターナルアザー】で発案したんだよね。
理由は「昔から花が好きだったし、折角やるんだったら楽しく仕事をしたい」から。
周りの幹部連からは「わざわざリスクを増やすな」とか「今までやってないものをやる必要を感じない」とか言われて猛反対されましたけどね。
(ま、私も当時若かったので怖いもの知らずだったんだよね)
でも、長が「楽しそうだし、美学がありそうなのでやってみる価値はある」の鶴の一声で採用してくれたんだっけ。
で、【紫色のヘリオトロープ】が花言葉である【夢中、熱望】に合致するため選ばれたんだっけ……。
結果この花の怪盗予告、皮肉にも【エターナルアザー】の名前を世に知らしめる宣伝効果があったわけで……。
(そんなわけで、これがきっかけで私の株は徐々に上がっていき、結果№2になれたんだっけ……)
勿論このラッキーパンチだけじゃなく、磨き抜いた選美眼と宝石類のカット技術などの努力もあってこそだけどね。
更には皮肉にもこの怪盗予告の為に戦闘回数は増え、私の剣技も比例して研磨されていった。
そんな私なので、逆に組織の手口は知り尽くしている。
「騎士団長の部屋は階段を降りて、もう一つ先だっけ?」
「そう、あそこじゃな」
小次狼さんの射す指先を見て、ダッシュで階段を降り一階に向かう私達。
だからこそ【紫色のヘリオトロープ】をあの部屋に設置したもの、即ち依頼者が誰かトレースする必要がある。
そう、この城に潜り込んでいる【エターナルアザー】の組織の構成員を捕まえ、怪盗の被害を防ぐ為に!
「ふむ、扉に騎士隊長の印である交わる剣の彫刻」
「間違いない、ここね!」
そんな事を考えながら、逸気持ちを抑え騎士団長の部屋の扉に手を当て中に入る私達でした。
部屋の正面を見ると、黒の燕尾服を身に纏ったガタイのいい黒い短髪の中年の男性がいた。
木目の入った簡素な作業机に座り、何やら書物を読んでいるのが見える。
おそらく式警備前の時間潰しの最中だろうと私は予想する。
「ん? なんだ? お前達は!」
騎士団長は瞬時に戦闘モードに切り替えたのか、覇気のある声と共に私達を鋭い眼光で静かに睨みつける!
ここいらはさすがガリアス大陸3強イッカ国の騎士団長だ。
歴戦の勇士とも感じ取れるその圧は半端ない。
だが、私達は怯んでいる場合ではないのだ。
「火急の用事なんで単刀直入に発言します! 怪盗予告が懸念されるため、注意喚起にこちらに参りました!」
「は? な、なにっ⁈ して貴方達は?」
「えっと私達は先程第二王子に依頼された結婚指輪を直接持っていった魔石商のものでして……。それでですね」
私達は騎士団長に詳しい事情を端的に話す。
それから数分後……。
「え? ええっ! そりゃ本当ですか?」
「ええ」
私は騎士団長の茶色の瞳を真剣に見つめ、まるで納得させるように深く頷く。
それに対し、血相を変え驚き、慌てて作業机から立ち上がる騎士団長。
「で、時間が無いので手早く教えて欲しいのですが、紫色のヘリオトロープをあの部屋に持って来たのは一体誰なんですか?」
『あの部屋に花を持っていく様に指示したのは第二王子』という事は先程王妃達との会話で分かっている。
更には『第二王子はその指示を騎士団を通して行っている』ことも。
なおそれらの事は先程王妃達との会話で内部事情まで確認済みだ。
ということで、直接指揮をとっていた実行部隊の騎士団長から話を聞いていけば、ある程度の人の流れは分るってわけなのだ。
「うーんと俺はこの城下町の花屋『リランダ』にいつも委託してるんだよな。つまり花屋の誰が来たかの特定までは確認出来てないぜ?」
そこまでわかれば上出来である。
「なるほど、ご協力ありがとうございました!」
「いえ、こちらこそ! 私達も早速警備を固めますので! 警備対象は今回貴方達が持って来た『魔石の結婚指輪』という事でよろしいか?」
「ええ、他に金目の希少品は無いのでおそらくは……」
「了解です! では私はこれで失礼します! ご協力ありがとうございました!」
騎士団長は私達に向い軽く敬礼すると、駆け足で部屋を出ていった。
「これで、とりあえず『魔石の結婚指輪』即ち王妃達の警備は固められるのお……」
「花屋にも手は回るでしょうがおそらくもう、その手配した者はいないでしょうね……」
私の推測だと、花屋の雇人の誰かが組織の人間であると考えている。
更にはその者はおそらくこの国から出航済みであるはず。
しかもこのガリアス大陸、めっちゃくちゃ広大であるから陸路でも海路でも、空路でももう足がつかないだろうしね。
更には瞬間移動魔法やマジックアイテムを使えば、秒単位で何処かに完全逃亡完了である。
組織は金もコネクションも潤沢にあるんで、そこら辺は当然完備してるのが容易に想像できる。
……元発案者及び経験者のこの私が言うので間違いないだろう(泣)。
「まあ嬢ちゃんが言うなら間違いないじゃろうな。しかしどうしたものかのお……」
小次狼さんが悩んでいるのは無理もない、「この国の第二王子からの依頼は確かに終わった」でもこれから新しい問題をどうするかを考えなければならない。
早い話、「厄介事に首を突っ込むか、突っ込まないか」の二択ではあるんだけどね。
「もう手遅れな気がするけど、やれることやっておく?」
「ははっ、元組織の人間としての良心の呵責か……。そうじゃな、社会勉強も兼ねてリップサービスしとこうかの……」
「決まりね!」
私と小次狼さんはお互いに気持ちも統一させるかのように、ハイタッチをする!
そう、私達は気心知れたコンビであり一蓮托生なのだから……。
……そんなこんなで数か月がたったある日、ここはイハールの屋敷のとある作業部屋。 あきらかに私の作業部屋よりも広くいろんな道具が揃っているこの場所は、今では私達の新しい作業部屋になっていた。 木目の作業机の上には片手ハンマーやピンセント、宝石や魔石を研磨する道具などが置かれているのが散見される。「クロウ、これどう?」「うーん、形はいいですけどあまり魔力は含まれてませんね……。明らかに2級品の魔石です」 クロウは残念と言わんばかりに深いため息をつく。「うーん、じゃ、次これは?」 作業エプロンを着た私とクロウは仲良く横並びに座り、魔石の仕分け作業を黙々とこなしている最中だったりする。「失礼します!」「嬢ちゃん達帰ったぞい!」 そんな最中、部屋に響き渡るはドアを開けし、聞き慣れし2名の声!「待ってました!」「2人ともいいの取れました?」「ほっほっほ!」「ふふ……」 不敵な笑いを浮かべながら、背に背負っていた大きめのリュックをえいやっと地面におろす小次狼さんとドラグネオン。「ほれ! どうじゃ!」 小次狼さん達がリユックから取り出した握りこぶし大の魔石の原石達。 形は歪であるものの、それはまるで太陽の如く真っ赤に輝いていたのだ!「な、なんて、す、凄い量のマナ……!」 クロウは感激のあまり思わず席を立ちあがり、目を輝かせている模様。「立派なもんじゃろ? それらはドラグネオン殿が全て探知してくれたものなんじゃよ」「へ、へえええ……?」 私は真紅に輝くそれらを値踏みしながら、どんな細工品にしようか頭を巡らせていた。「そっか、ドラグネオンは雷のマナの扱いにに長けているから! 体力もありますし、一流の採掘屋として活躍できてるじゃないですか! 凄いです!」「そ、そうなのだが私
……という事で、それから数時間後。 ここは例のブリガンの肉料理屋さん。「いやあ、あの時の小次狼殿の刀技は見事でしたな……」「いやいや、ドラグネオン殿の剣技こそ見事なものでしたぞ!」 それぞれ服装を整えた私達は、各自好物の肉を美味しくいただきながら木椅子に腰かけ、談話していた。「まあ、なにはともあれめでたしよね……」「そうじゃな」「ですね……」「うむ」 私達は各自ビールを飲み干し、そっとテーブルにマグカップ置く。「あっ! ところでイハールさんの件は?」「ああ、それはイミテーションブルーが次の満月に『魂の入れ替えの儀式』がレクチャーしてくれるらいよ?」「な、なるほど! 例の隠し部屋の本にもそれらしきものが色々ありましたね!」 クロウは満面の笑みを浮かべ、コクコクと頷いてますが……。「クロウ、やはり貴方……」「……え、ち、違いますよ? そ、そんなんじゃないんですって!」 クロウはその可愛らしい顔を赤み肉より真っ赤にし、目を躍らせ慌てふためいているが……。(なんというかその、分かりやすいよね……) クロウの場合、仕事でも繋がりが深かったし色々惹かれるところがあったんでしょう。「……ね、ね! クロウは青年のどんなところに惹かれたの?」 私はクロウの顔を覗き込き、すっかり赤くなっているその頬をツンツンとつついてみる。「ち、ちがっ! あ、そ、それよりもリッチー=アガンドラがいなくなった今、組織はどうしましょうか?」「え? そりゃ、私はもう関係者ではないんだし、貴方達上位幹部が好きに決めたらいいんじゃない?」「……そうはいかない。と
「う、うわあああああああああああああ……! い、嫌だっ! 我はまだ死っ……」 リッチー=アガンドラはあっという間に燃え上がり、たまらず絶叫を上げのたうちまわっていますが……?「え、ええっ! ち、ちょっと本当に大丈夫なのこれ?」 そんな私の心配をよそに、紅蓮の炎が消えてなくなったそこには仰向けに倒れているブラッド青年の姿が見えた。『な、大丈夫だろ? ユグドラのマナがフェニックスの力を借りてリッチー=アガンドラの魂を浄化しただけだしな』 なるほど、確かに何故か青年の服は燃えていないし、これには納得せざるを得ない。(それはそうとして、問題はここからどうやって逃げ出すかよね……) というのも、リッチー=アガンドラを滅した事により、奴の作り出した虚実空間から現実世界に戻ってこれたのはいい。 けど問題はここがエターナルアザーの本物の訓練部屋であるという事実。 早い話、奴の部下が大量にいるだろうし、まだ油断が出来ない状態であるからだ。『なあに大丈夫、今の君なら私を通してまだ魔法が使える状態にある。それがどういう事が聡い君なら分るよね?』『あっ! なるほど……!』 て事で、謎の力が満ちている私はブラッド青年を軽く背負う。『じゃ、後の詠唱はお願いね!』『心得た』 再び私の体を借りたイミテーションブルーはレッドニードルに残ったマナを使用し、高速詠唱テレポートを唱え、あっという間にブラッド青年の部屋に無事舞い戻る事になる。「あ、きたきた! やっぱり無事でしたね!」 意識と視界が戻ると同時に、聞き慣れた元気な声が正面から聞こえてくる。 彼女は人懐っこいワン公のような笑みを浮かべ、私に向かって歩んできた。 大きな垂れ目に流れるような黒毛、うん、間違いなくクロウだろう。「ふむ、流石嬢ちゃんとと言いたいとこじゃが、儂の方が早かったの?」
『これで色んな準備は整った。後は私が言う通りにするんだレイシャ』『え、私が?』『そう、これでまたレッドニードルに血液を捧げれるだろ?』 『……あ、ああ、なるほど!』 そんな会話をしている間にリッチー=アガンドラはなにやら高速詠唱を唱えているが?「う、ううっ! な、何故だっ! 何故私の呪文が発動しない? ま、まさか? 今の血を吸ったのは……」「ご名答、なんせお前は転移魔法が使えるからな。血を吸うついでに少しマナの回路をいじって呪文の発動を封印させてもらった!」「く、くそっ! くそおおおっ!」 悔しさのあまりリッチー=アガンドラは己の両手の拳を力強く握りしめ、声を張り上げ叫ぶ!(あ、そっか! 奴に逃げられたらブラッド青年の体を取り戻せないもんね) 流石長、一手で相手の複数の行動を制限し、かつこちらに凄い有利な状況を作ったし、やる事が凄い。 で、体の主導権が私に戻ってきたので、早速だけど早々に決めさせていただく!「私の血を吸いなさいレッドニードル!」 私の言葉に反応し、胸元のペンダントは真紅の輝きを放つ! で、いつものように手に持っていたレッドニードルの柄の部分から、まるでバラのツタのようなものが発生し、それらは蠢きながら私の腕に巻き付いていく!「つ……!」 分かってはいるけど相変わらずこの感触と痛みには慣れない。 『で、ここからどうするの長?』『これで君が呪文を使える状況は整った! 後は私の言葉を追って呪文を詠唱してくれ!』『うん、分ったわ!』『聖なる大樹よ。我が声に応え、そのマナをこのレッドニードルに納めたまえ!』 私はレッドニードルを自身の胸元にそっと携え、イミテーションブルーの後追い詠唱を始める。 「聖なる大樹よ。我が声に応え、そのマナをこのレッドニードルに納めたまえ!」 すると私の声に応え、不思議な事にレッドニードルの刀身が鈍
「クククク、どうやら術が完成したようだ。どうやらこの勝負、私の勝利のようだ! さらばだレイシャ!」 リッチー=アガンドラは不敵な笑みを浮かべ高笑いをしている。「いでよ絶対零度の支配者にして、氷の女王よ! そなたの力を持ってして我が敵を氷塊と化せ!」 リッチー=アガンドラの額のサークレットから力ある言葉が放たれ、私の目の前に全身氷のマナで覆われた『氷の女王』が顕現する! 見た目は透き通った華麗な氷の貴婦人……。 だが、それはまごうことなき死の代弁者。 その氷の女王は残酷なまでの冷笑を浮かべ、私に向かって静々と歩き静かに『死の息吹』を吹きかけたのだ……。(さ、寒い! いや、そんな感覚すらも生ぬるいこの冷たさ……) 私は遠くなっていく意識の中で、咄嗟に例のメモ紙を懐から取り出し静かに握りしめる!「……ふふ、ふふははは! レイシャよ! 流石に絶対零度の死の息吹の前ではなすすべなしであろう!」 リッチー=アガンドラの嘲笑が響き渡る中、パキリ……と何かが壊れる生々しい音が私には聞こえた気がした。「……ははは、は、はあっ?」 リッチー=アガンドラの嘲笑はピタリと止み、今度は目を大きく見開き驚いている模様。 そう、奴が驚くのも無理もない。 私は肌の表皮が少し凍っただけで、ほほ無傷の状態で何事も無いように立っていたからだ。「ば、ばかな? 何故、何故我の最高の氷魔法を食らってお前は無事でいられるんだ? 貴様っ!」「……それはこれのおかげ」 私は手に持っていたメモ紙を開き、奴にそれを見せる。「女神の姿を形どった銀の指輪っ! しかも虹色の魔石が埋まっているだとっ! ま、まさかそれは……?」「そのまさか、超希少アイテム『身代わりの女神の指輪』よ……
「ふふ、これで良しと……」 よく見ると額に青い魔石のサークレットを身に着けている。 リッチー=アガンドラは無駄を嫌う冷静な軍師タイプ。 だからこの行動にも絶対に意味はあるはず!『長ッ、ちょっとあれは何?』『まずいな……。あれはリッチー=アガンドラの隠し玉の1つ、「零口のサークレット」だ』『ええっ! ど、どんなアイテムなの?』『結論から言うと、呪文を2つ同時詠唱出来るようになる壊れアイテムだ。詳しく説明すると、もう1つの意思を持ったリッチー=アガンドラの口が出来たわけだ』 『ええっ! で、でもそんな神アイテムがあるなら何故はやく使わなかったんだろう?』『あれは希少な消耗アイテムで、奴のお気に入りのコレクションなのだ。あれを使わせたという事はレイシャが奴を追い詰めている証拠さ』『なるほど、ポジティブ思考でいくとそうなるわね! じゃ、そうとわかればトドメを差しにいかないとね!』 私は再び呪文を詠唱していくリッチー=アガンドラに向かって、容赦ない斬撃を繰り出す! ……なるほど、リッチー=アガンドラの周囲を覆う水色に光る魔法防御壁が次第に薄くなってきている!「もう貴方の魔力も尽き欠けているわ! 観念しなさい! リッチー=アガンドラっ!」「く、ぐうっ! 魔法の完成はまだかっ!」 声からもリッチー=アガンドラが狼狽えているのが分る。(そっか、オートで自立して魔法を唱えるアイテムだからリッチー=アガンドラ自体もいつ何の魔法が完成するかわかんないんだ! それに本体は魔法防御で手いっぱいなのかも) となれば、今が絶好の機会っ!「も、燃えよ! レッドニードルっ!」 私はふらつきながらも気合を入れ高らかに叫び、力強くレッドニードルを握りリッチー=アガンドラに斬りかかっていく!(……よくよく考えると、このレッドニードルって不思議よね。そしてこの刀身に宿る炎のエネルギーって、